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ヲ印茉奈のの/だ/め語り
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な・・・難産だった・・・!!
千秋とターニャの絡みって難しい!!
千秋がすぐにのだめの方に行きたがってもう・・・!!


君のほしいもの」「彼女にのぞむもの」「あなたのくれたもの」の続き。
のだめ誕話最後のはず。


それから、他ジャンルの原稿があるため(笑)しばらくは更新頻度が落ちます。
そっちも尻に火がついてんだよ・・・!!

ところで今日テレビ(ケーブル)つけたら、のだめカンタービレアニメ#1がちょうど始まるところでした。
「次は『のだめカンタービレ』です」というところからでOPからがっつり見れました。
わたし原作以外はコミックス24巻のおまけDVDしか見たことなくてですね。
しょっぱなからのあまりの千秋ののだめ好きすぎに超萌えた。
後息吹きかけられた時の喘ぎ(笑)に萌えた。
そして千秋、女(彩子)の扱い超ひどいwこの男やだww

そしてのだめの次はタイバニだった。
関係各所(笑)からタイバニ見ろとせっつかれているのでちょっと見てみた。
・・・やばい・・・・全部見たい・・・・・・・という欲求が・・・・・。
関係各所(妹・友人・後輩)に思わずメールをしてしまいましたというお話でした。なんの話。

彼にのぞむこと
 
 
 
 
 
「偉かったわねぇ~~、ちゃんとのだめに連絡してきて」
 
「は?」
 
ワイングラス片手にひとりソファで仏頂面している男の隣に座り込むと表情まんまの声が返ってきた。
わかりやすいやつ。
 
 
「あの時ののだめの顔、見せたかったわねチアキにも」
距離があったけどあのぱぁっと花開くような顔。
あれは千秋だけに向けられる顔。
その証拠に千秋の眉間の皺が更に深くなった。
誰にも見せたくないってわけね。はいはい。
 
「リュカの悔しそうな顔ったらなかったわ~」
不機嫌な顔が更に不機嫌になった。
なまじ整ってるだけにその顔は迫力で近寄りがたいのだけれど、その中身を知っているから全然怖くない。
グラスを掲げて一気に煽ってやると今度は顔を背けて自分もグラスを空けた。
ほんとうにわかりやすい男だ。
 
「あーー鬱陶しいわねチアキって。なんでのだめはこんなのがいいのかしら」
「・・・お前押し掛けてきといてその言い草・・・」
 
深い溜息と吐出された言葉にターニャは笑う。
空になったグラスを千秋に突き出すと今までで一番嫌そうな顔をしてそれでも律儀にグラスを満たしてくれる。
いい男をこき使うのは実に気持ちがいい。
 
「ほんと、のだめサマサマね~~」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ことの始まりはワインとケーキとサンタルチアのピザもろもろを抱えてのだめの部屋のドアをノックしたところからだ。当然のように出てきた千秋はその光景を見てあからさまに嫌な顔をした。
失礼極まりない態度だけれどいつもの事なのでスルーして部屋の中に入り込むと奥から顔を覗かせたのだめは目を丸くしてそれからいつもの奇声を上げてケーキやごちそうに向かって突進してきた。
キッチンからは良い匂いがしてくるから食事はまだだったようだ。
良いタイミングだった。
 
フランクのママのパイとアンナのケーキとターニャの料理に千秋が作っていた夕飯。
ヤドヴィに長田もプレゼントを抱え、黒木は日本酒を持参していた。持ってきたワインに千秋の秘蔵のワインまで開けて結構豪勢なパーティになった。
楽しそうなのだめとは対照的に千秋はむくれてワインを煽っている。
 
 
そしてみんながすっかり出来上がった頃、ターニャは指揮者の隣を陣取った。
 
 
「今日のだめに自分から連絡してお祝いしてって言いなさいよって言ったのよねわたし」
注がれたワインを一口飲んで視線だけ千秋に向けると傾けていたグラスを戻してひょいと片眉を上げた。そんな表情も様になっていて、全く嫌味な男だとターニャは思う。
千秋から顔を逸らしてのだめの方を見るとフランクと何やら盛り上がっていてまたいつものオタク話なのだろう。他の面々も呆れたように、それでも楽しそうにその話を聞いている。
 
「・・・あんなことのあった後だから、ちゃんとチアキには締めて欲しかったの」
視線の先の黒木はヤドヴィと何やら話し込んでいる。手元には楽譜があるからまた彼女が作曲でもしたのだろう。黒木があれだけ熱心に話し込んでいるということはオーボエを使った曲なのかもしれない。
なんとなく目を戻すと千秋がなにか言いたげに口を開けるところで、ターニャはなぜかそれを聞きたくなくて慌ててまた話し始める。
「だって、あれって絶対別れの危機だったでしょ。しかものだめがチアキを振るの。ありえないって思ったけどほんとあの時はハラハラしたわ~。ちゃんと収まって安心したけど。だからちゃんとね、ポイント抑えて欲しかったのに当の本人は自分の誕生日を忘れてるしチアキだって忘れてたでしょ絶対。それでリュカが嬉しそーにのだめ誘おうとしてたの思いっきり邪魔しちゃったんだけど、のだめを焚きつけてやっても全然反応悪いんだから。ほんとなんであんなにイベントに疎いのかしらね?わたしだってこの時期チアキが忙しいことくらいわかってるけど、そんなこと気にしてる場合じゃないことあるじゃない?だから何が何でも絶対連絡しなさいよ、って言ってね。そしたらのだめにチアキからのメールが届いてね・・・ああ、あの顔チアキにも見せたかった・・・」
 
「ターニャ」
 
立て板に水の勢いでまくし立てたターニャを千秋の声が止める。
口を噤むと千秋が小さくため息をつくのが聞こえた。
呆れられたかとちょっと肩を竦める。どんな毒舌が飛んできてもやり過ごそうと思って。
だって自覚している。どうしてこんなに、
 
「悪かったな心配かけて」
 
おせっかいなんだろうわたしは・・・
 
「え?」
「・・・なんだよ」
「チアキが謝った!」
「・・・・・俺が謝ったら悪いのかよ!」
「だって・・・・だって俺様チアキが・・・・」
「殺すぞ!」
「あはは!ごめんごめん」
 
思いがけなく素直な千秋の言葉になんだか妙に嬉しくなってターニャは笑った。
ここで素直に謝るということは、やっぱり千秋は色々と自覚しているのだ。そして昨日は幸せな誕生日を過ごしたんだろう。
のだめの肌つやはいいし、千秋だってすっきりした顔をしている。
それは幸せな想像。
 
「ね、のだめのおねだり聞いてあげたの?」
そういえば、自分が別れ際に言ったことを思い出す。
普段言えないようなおねだりをしなさいよ、とのだめに言った。
素直なのだめは多分、千秋に何かをねだっただろう。
それが何かなんて想像もつかないけれど。
だけど千秋の反応は顕著だった。ふとまたたいて、かぁっと頬を染める。
それはまず滅多に見られないものだから。
釣られるように自分の頬も熱くなるのがわかる。
「あれはお前の入れ知恵か!」
「わ、わたしはただせっかくだから何かおねだりしなさいよ、って言っただけで・・・。な、なによぉ、のだめそんなすごいこと言ったわけ!?」
千秋の迫力に引けた腰ももらい照れも好奇心で立て直す。
「・・・・・別にすごくない」
ターニャに詰め寄る勢いだった千秋は一瞬止まった後ふいと顔を背けた。
ワインを煽って赤い顔は酔いのせいだとでも言いたいのだろうか。けれど除く耳も首も赤いままでそれは誰に対しても言い訳になりそうにはない。
「ちょっと、何なのよ気になるじゃない!」
「うるさい聞くな!」
ほとんど怒鳴る勢いの千秋にからかいたい気持ちが膨らんだけれどそこはぐっとこらえた。
これ以上怒らせて何も聞けなくなってしまう。
「わかったわよ聞かないから教えて、ちゃんとおねだり聞いてあげた?」
少しだけ譲歩すると千秋はうろうろと視線を彷徨わせた。
根掘り葉掘り聞かれるよりはマシだと思ったのだろうか。数瞬の後、諦めたように頬杖を着いた。
「・・ああ」
たったその一言だけだったけれど。
むずむずして口の端が緩むのがわかる。口元を隠した千秋が嫌そうな顔をしてターニャへと視線を投げるのも楽しい。
「へぇ~、ほんと偉かったわねぇチアキ!」
「・・・うるさい」
「どぉーせなんかむず痒くなるような感じのおねだりだったんでしょその様子だと。普段のチアキなら絶対言わない事とかやらない事とか」
「お前・・・ほんとに黙れ!」
「のだめ、喜んだでしょぉ~?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・それなりに」
また視線を逸らして充分逡巡した後の呟きは他のメンツの声にかき消されそうなほどだったけれど。
「!あは、あははははは!!」
「うるっさい!!」
ターニャの派手な笑い声にチアキの怒号。
それは談笑していた他の面々が驚いて振り向くには充分だった。
 
「・・・せ、センパイ?」「ターニャ?」
あっけに取られた空気が流れた後、声をかけてきたのはそれぞれのパートナーだった。
のだめは今まさにピアノチェアに腰掛けようとしているところで、黒木はオーボエを取り出して組み立てている。
ヤドヴィカが楽譜をのだめに差し出しているところを見ると、即興で演奏しようということになったらしい。
「ど、どしたんデスか?」
しまいにはヒーヒー言いながらソファの肘掛けに凭れてバシバシ叩いて笑っているターニャにますます仏頂面の千秋。
さしもののだめも引き気味で恐る恐る声をかけてくる。
「ひっ、なっ、なっ、ひっ、あはは・・・ッ」
「タ・・・ターニャ・・・大丈夫・・・・?」
黒木も完全に引いているがそれでも声をかけてくるのは律儀な彼らしい。
他のメンツは完全に引いているか呆気に取られている。
「なんでもねーよ!・・・お前ら何か演奏するんだろ。早く聴かせて」
「え・・・でも・・・・センパイも顔赤いですよ?ダイジョブなんですか?」
「いーから!」
「むひゃっ」
「あ・・・じゃあ、恵ちゃん、やろうか?」
「ふぁい・・・」
なんだか必死な千秋に押されるようにしてのだめと黒木はそれぞれの楽器に向かった。
立ち直りが早いのは千秋の必死さに慣れているからとも言える。特にこのふたりは。
ターニャの笑い声はしゃくりあげるようなものに収まってはいるが顔を伏せたまま、まだ肩は震えている。
千秋は千秋でまだ仏頂面のままターニャとは反対の肘掛けに頬杖を着いてワインを煽っている。その態度は話しかけるなと如実に物語っていてそれなりに慣れた他の面々もソファから意識を逸した。
そんな中でも初めから全く動じていないのはヤドヴィカでピアノに向かったのだめと後ろから覗き込む黒木に楽譜を広めて見せているのはいっそ大物と呼んで差し支えないだろう。
 
「・・・・いつまで笑ってる」
そして始まった曲はヤドヴィカらしい不思議さと可愛らしさを兼ねたものでのだめも黒木もそれに振り回されながらも楽しそうに演奏している。
その音にまぎれるように千秋はターニャに声をかけた。
「・・・だ、だって・・・ぶくくっ・・・」
「いい加減にしろ」
「わ、悪かったわよ・・・嬉しかったんだもの」
「はぁ?」
千秋が怪訝な顔をするのも最もだろう。なぜ嬉しくて爆笑になるのか。
そもそもなぜターニャが嬉しいなどと言い出すのか。
「・・・あー、いいのよ気にしないで。わたしのわがままなんだから」
「なんの話だ」
「んーん。・・・・なんでわたし、人のことにこれだけ必死になってるのかしらね。馬鹿みたい」
漏れた自嘲。
のだめをけしかけたのも千秋がのだめを祝うことを望んだのも今それを聞き出して嬉しくなっているのも。
全部ターニャの勝手な希望でわがままだと思う。
のだめもそれで困った顔をした。
困らせたいわけでもないし、押し付けたいわけでもない。
ただ、ふたりの間にある小さな不安が消えればいいと思ってしまうからで。
だからふたりが仲良く過ごしたと聞けばそれを嬉しいと思って、珍しく素直なチアキに爆笑もしてしまった。
 
「・・・まぁそれがお前のいいところなんじゃねーの」
「・・・・・・・・・・」
「・・・なんだよ」
「あ、うん。メルシ」
 
まさか千秋に慰められるとは思いもしなかったのでちょっと驚いた。
・・・いや思えばカントナ国際コンクールで落選した時も一応慰められたらしきことはあった気がする。
その後の黒木の言葉の方がターニャとしては印象に残っているわけだけれど。
そっぽを向いたままの千秋に視線を戻すと、慣れないことをしたからかのぞく耳は赤い。
のだめのピアノと黒木のオーボエが寄り添う音の中でターニャはもう一度小さくメルシ、と呟く。
それはごく小さくて千秋に届いたかはわからなかったけれど。
 
 
 
「・・・・で、のだめはそんなに嬉しそうにしてたのか」
「・・・は?」
「・・・だから!ほら、俺がメール送った時・・・」
「!あ、はぁ~ん」
「・・・なんだよ」
「い~え~、チアキもかぁわいいとこあるのねぇ~」
「もういい!」
「あっはっは!ごめんごめん。そうねぇ、あの顔はのだめに惚れてる奴が見たら即ノックアウトって感じだったわね。頬なんかぱぁと染まっちゃって、目も一瞬で潤んで、口元も綻んでちょびっとだけ歯が見えるとか男に取ったら堪らない感じ?」
「・・・・そこにりゅ、リュカってやつも一緒に・・・いたのか?」
「・・・そぉなのよ~、もーリュカの顔ったらなかったわ~、真っ赤になって見惚れちゃってぇ~、少年には刺激が強かったかしらね~~」
「・・・・・・・」
「・・・妬ける?」
「・・・・・・・・・・」
「冗談よ」
「は?」
「だから冗談だって。そんな睨まないでよ。今人殺せそうな目してたわよ」
「お前・・!」
「ほんとは距離があったから顔が緩んだくらいしか見えなかった。リュカはそれでも見惚れてたけど結局それがチアキのせいだってわかって膨れてたわ。でものだめはシュトレーゼマンとの共演以来人目を引いてるから、あれ見て惚れた男いてもおかしかないわね」
「・・・・」
「昨日、ちゃんと誕生日一緒に過ごしてよかったでしょ?」
「・・・・・・・・・」
 
沈黙は肯定だ。
もう喋らないという鉄壁の意志が見えるので、ターニャは組んでいた足をほどいて立ち上がった。
そのままピアノの方に歩き出し、ふと思い立って振り向く。
 
 
「とりあえずいつでものだめをあんな風に笑わせといてよ」
 
 
ターニャの言葉に千秋は目を見張り、それからまた顔を背けて頬杖をついた。
 
「努力する」
 
それでも耳に届いた言葉は、まぁ及第点だということにしてターニャは今度こそ足を止めずに演奏中の恋人の元へと赴いた。
振り向いて笑うのだめにも笑顔を返す。
 
 
ねぇのだめ。
あんたたちって似たもの同士のバカップルみたいよ。
後が怖いから、そんなこと直接言ったりはしないけどね。
 
 
 
 
end
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「千秋はぶすくれて・・・」と普通に書いた後ふと気になって調べたら方言でした・・・。
のだめちゃんならわかってくれる言葉だけれども・・・がーん。

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茉奈
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非公開
趣味:
読書・映画・音楽・お酒・料理
自己紹介:
ここはの/だ/め/カ/ン/タ/ー/ビ/レ、二次創作サイトです。
ちあのだメイン。
原作、出版社等など無関係です。

傾向と対策:のだめを偏愛・のだめ溺愛の千秋先輩を偏愛。

ブログタイトルの由来:茉奈の実家はオアシス大川から車で三十分なのだ。
あの道を、私は知っている。


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