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ヲ印茉奈のの/だ/め語り
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うわぁ、ひと月近くあいてしまった・・・・
なんかよくわかりませんがやたら忙しくて家に帰ると御飯食べてお風呂入って寝るのが精一杯。
休みの日もぐだぐだしてしまいます・・・。
体力付けばいいんだろうけど・・・うーん。
PC開くのも久しぶり過ぎて泣ける。

そして千秋視点で書くとなんか書きづらくて進まないということに気が付きました。
なんとかならんか。
本当はこれ一話の半分位のつもりなんですが、もうあまりにも進まなくて続きものなのにこれ以上上げないのもあれなのでとりあえず上げてみます。
けど次のアップはこれの続きに書き足すかもしれない。
うーん。ほんと動かねぇな千秋先輩は。全くわがままな男だよ(お前がな)

あと、昨日親知らずを抜きました。
きれいに生えてたから抜かなくてもイイくらいだったんだけど、奥すぎてほっぺを圧迫してイタイのと歯ブラシが届かなくて虫歯になっているのとで抜きました。
虫歯でかけちゃってて引っかかりがなくてちょっと大変だった。と言われましたが五分コースでさっさと抜けた。
みんながいろいろ脅してくれるから怖くて怖くてwwww
思ったより痛くもないし。うずくのであれですが、想像よりだいぶましに過ごしてます。


――――
2/11 後半追記しました。

Bon Voyage! 1

ボーディングブリッジから空港内に足を踏み入れたところで千秋はひとつ大きく息を吐く。
それと同時に立ち止まると後ろから来た搭乗者とぶつかった。失礼、と呟き脇に寄るとその乗客-若い女性だった-は目を見開き千秋の顔を一瞬見つめて頬を赤らめ、けれどすぐに視線を元に戻して連れの女性と小さく笑いながら早足で歩き去ったが、やっと地面に着いた安心感を噛み締めている千秋にそんなことに気づく余裕があるはずもない。
計12時間以上の空の旅。しかも接続の関係で移動時間まで合わせると15時間以上かかっている。
早くロビーに出て少しでいいから座りたい・・・・そうは思うものの、取り出して電源を入れた携帯電話の画面に目を走らせるとそれも無理そうだと再度ため息を吐く。
のだめのリサイタルまで後2時間もなかった。
出発地で悪天候のため大幅にフライト時間が押したのだ。
これで遅刻でもしたら、何のために散々冷やかされたのを耐えてまでミラノでのヴィエラの一足早いクリスマスコンサート直後に飛行機に飛び乗ったのかわからない。
コンサートに大荷物を抱えて現れ、終わったら後始末もそこそこに打ち上げにも参加せずに会場を出ようとする千秋をからかい倒したヴィエラとジャンの顔まで思い浮かんでまたも大きく溜息を吐く。
けれど何時までも立ち止まっているわけにも行かずにとりあえずのだめと、それから一緒にいるはずの母に手早くメールを送り人もまばらになった通路に足を踏み出した。
 
通路や荷物引取所は成田やほぼ日常的に利用しているシャルル・ド・ゴール空港とは比べものにならないくらい短く小ぢんまりとしていたが、そのおかげで長時間待つことも無くカートを受け取れた。
出口もすぐ傍、そこここから聞こえるのだめがたまに使うのと同じ訛りに頬が緩むのがわかる。
さすがにクリスマスなだけあってロビーの真ん中には大きなツリーが飾ってあり、外に面した窓は電飾で飾ってある。
まだ明るいのでライトは点いていないが暗くなればさぞかし綺麗な光景なのだろう。ツリーに向かってケータイやカメラを向けている人もいる。
年末の帰省ラッシュにはまだ早い時期だが、それらしき姿もちらほらと見られた。
千秋が出たのはだいぶ捌けた後だったから人待ち風情の人は少なかったもののビジネスマンに混じって久しぶりの再開を喜ぶ家族や友人同士などの姿もある。
もし一日早く着いていたらここにのだめが来ていたのだろう。そうしてあの奇声を上げて飛びついてきたに違いない。いや、本当はリハーサルなんかで来られなかったのだろうけど。
それを惜しむ自分に気付いて千秋は渋面を作る。
これでは自分がとてものだめを恋しがっているようではないか。・・・否定する材料もないが。
とにかく早くのだめのピアノが聴きたい。
それだけで千秋は長時間のフライトに耐えたのだし、今だって休みたいのを堪えてのだめのリサイタル会場へまっすぐ向おうとしている。
結局それが答えだと疾うの昔にわかっている。
 
まばらな人の中を突っ切り外に出ると冷たい風に首を竦めるがパリよりはましだと思える。見えたのは駐車場と低い街並み。空が近かった。
冬の夕方にしてはまだ明るく、空港の周りには高いビルも無い。通路の街路樹にも電飾が飾られているのが見えたけれど目立つものと言えば地元の名産品の大きな看板。
遠くに高いビルも見えるものの、東京のそれとは比べ物にならない。
福岡空港は住宅街にあるから高いビルなんて無いのだとのだめも言っていた。
それを思い出しながら地下に潜るべくすぐ脇のエスカレーターへと向かう。
のだめのリサイタルのある会場は街中にあるらしく、車だと混むから地下鉄で来いと言われていた。
エスカレーターに乗る直前、もういちど外に目を向けた。久しぶりの日本の風景に懐かしいという感慨も湧くがここでの自分は異邦人だという意識の方が強い。
奇妙に緊張するのは、祖国での仕事があるからということではない。それなら去年こなしたのだから。
そうではなく多分ひとつの覚悟を持っているからだ。
 
(・・・・やれやれ)
自分にも人並みの感覚があったのだと変な所で実感して滑りこんできた地下鉄に乗る。
出来れば乗り物にはまだ乗りたくも無いのに時間が無さすぎる。10分程度で着くというから我慢するしかない。
(大体、急なんだよエリーゼのやつ・・・)
数ヶ月前に突如告げられたのだめのクリスマスリサイタルと自身のニューイヤーコンサート。共に日本で。
クリスマスプレゼントとお年玉、などと言われたがそのツケはガッツリ払う羽目になった。
通常であれば数年前からスケジュールが決まっていることも当たり前の話にほいほい乗ったは良かったが、自身の定期演奏会、シュトレーゼマンのクリスマスコンサート、ヴィエラのクリスマスコンサート、と帰国前に予定が詰まっていて最悪のだめのリサイタルは聴けないかと思っていた。
のだめ自身のリサイタルは単価吊り上げ作戦のために頻繁では無かったけれど12月頭はドイツでのコンサートがあってとにかくばたばたしたのだ。
エリーゼからの電話の後、同じパリにいてもお互い多忙ですれ違ってばかりいたから今回のコンサートが終われば数日とはいえふたりでゆっくり過ごせる久々の休暇になる。
おそらくその時間が作ってあるのもエリーゼやシュトレーゼマンの言うところの『おとしだま』だ。多分いろいろと含むところがある。
正直余計なお世話と思わなくもなかったが結局充電不足であることは否めないので、とりあえずはそれを目当てに乗り切ろうと僅かでも休息を取るために目を閉じた。
 
 
 
 
 
 
「真一、こっちよ」
 
会場にたどり着きクロークに荷物と上着を預けたところで既に開場の20分前。
さすがに楽屋に顔を出すにはぎりぎり過ぎるだろう。
集中しているだろうのだめの邪魔をするわけにもいかず-というのは建前で久しぶりに会って20分足らずでお互い我慢できるとも思わないので-まずは母と落ち合う。
連絡したとき征子はまだ楽屋にいたけれど結局のだめとは話していない。
 
「母さん」
「お疲れ様、間に合ってよかった」
ロビーの大きなツリーの下、それは空港にあったカラフルなものとは違いシルバーとブルーで飾りつけた白いものだったけれど、その下で手を上げた姿は我が母ながら中々に絵になっていた。傍を通りかかったカップルの男が一瞬見惚れて彼女らしき女性に肘を引かれてへらりと謝っている。女の方も征子が若い女性ではないからか一瞬そっぽを向いただけですぐに笑い返していた。
そのカップルに視線を向けつつ母の元に辿り着くと労いの言葉と共に差し出されたミネラルウォーターのペットボトルに礼を言って受け取り一気に煽る。
そういえば飛行機を降りてから何も口にしていなかった。時間が無かったのは事実だが、余裕も無かったのだと自覚して多分母はそこらへんもお見通しなんだろうと思うと居心地が悪い。
「由衣子ちゃんはもう中に入ってるわ。あなたも行く?」
「ああ」
それでもいつもなら何か言う筈の征子が何も言わず先に立ってホールの入り口へ向かう。本当に間に合わないかもしれない状態だったから純粋に良かったと思ってくれているのだろうとは思う。
忙しくて大変だったわね、だの飛行機は大丈夫だったか、など当たり障りの無い話だけを振ってくるから。
そして多分千秋から話しだすのを待っているのだろうというのもわかる。
適当に返事をしながら、このまま何も言わなければ特に何か言われることもないのだとはわかってはいるのだけれど。
 
「・・・なぁのだめの様子は?」
席に着いて落ち着いてしまった後は逆に訊きづらくなってしまうだろうことは想像できたからホールに足を踏み入れると同時に席を探しながらほとんど呟くほどの声で言う。
それでもざわめくホールの中でその低い声は母の耳に届いたらしい。く、と肩が揺れたのが見えたから。
忌々しく思っても通じる相手ではない。
「大丈夫、リラックスしてたわよ。あなたが間に合ったって嬉しそうだった」
「・・・ふーん」
よかったとそう声に出そうになって飲み込んだのもバレただろうか。
地下鉄の中で待ってますとだけ返信があった。人のことは言えないがメールや電話の返信なんてのだめはよほどでない限りしてこないからもしかしてヤバイんじゃないだろうかとも思ったのだが、多分千秋と同じ。久しぶりで嬉しい、それだけだったのだろう。
そしてリサイタルに間に合った事。
メールを見て、それとも征子から電話が来たことを知らされて、奇声を上げて大げさな程喜ぶ姿を思い浮かべたらもうダメだった。
母の前ではゆるめまいと思っていた気と口元が緩む。
ふ、と笑みを浮かべた息子に征子も小さく笑った。
「ほんと。可愛くなっちゃったわよねぇ」
からかい口調も自覚しているだけに怒るに怒れない。いや怒っているわけではなくバツが悪いだけだ。
それでも口角の上がる口元に手を添えて視線を外すのが千秋の精一杯だ。
「・・・うるさい」
だからこんな一言しか出てこなくて、それもわかっている征子は余計に肩を震わせる。
 
「真兄ちゃま!」
笑う征子と憮然とした千秋に高い少女の声が掛かった。
一年半の月日は記憶の中の少女をさらに大人びさせていて立ち上がって手を振る姿に照れも忘れて千秋は相好を崩した。去年はまだ女の子といって良かった由衣子がもう立派なレディだ。
などとトンだ思考はデフォルトだ。
「由衣子!久しぶりだな元気だったか?」
通路に出てきてにこりと笑って頷く顔は小さな頃から慈しんできたそのままで、自覚も無いまま千秋は脂下がる。それはのだめにも母にも由衣子の兄である俊彦にも言われるような親バカならぬ従兄バカの顔そのものだ。
その肩にぽんと手を置いた征子が呆れた顔でみっつの席の一番奥に座った。
「真兄ちゃま、のだめちゃんに会った?」
由衣子がその隣に座りながら千秋に笑いかける。例えば、千秋の仕事のことを聞いたり直前がミラノだったことを知っているから間に合ってよかったと母と同じように言ってくれたり。
気にかけるのが自分では無くまずのだめというのは、初めてのだめを連れて帰った大学時代から由衣子の優先順位が変わってしまったことに千秋は密かに落胆している。
気難しい由衣子が自分の彼女(はじめはそうでは無かったはずなのに。今や婚約者、という方が正しい)に懐いているのは喜ばしいことではあるけれど。
「・・・いや、本当についさっき着いたばかりだから」
「ふぅんそっか。・・・そうよね。久しぶりなのよね。たった十分ちょっとじゃ我慢出来ないよね」
「っ!?」
愛らしい唇から何を言い出すかと通路側の席に腰を下ろそうとしたところで座りそこねる。
前の座席と自分の席の肘掛けに縋って床に座り込むのだけは避けたけれど母の冷たい視線と由衣子のきょとんとした視線と周りの客からも何事かと視線を向けられ頬に熱が集まる。
咳払いをしてそのまま何事も無かったかの様に座ると周りは開演間近の舞台へと興味を逸らし、母もグランドピアノだけが置かれた舞台へと視線を向けた。
可愛かった由衣子はどこへいや今も可愛いけれどなどと滑る思考など知るはずもない由衣子だけがぱちぱちと瞬きをしそっと笑う。
「じゃあのだめちゃん見たらびっくりするよ」
いたずらめいたその声にどういうことだと問い返す前にブザーが鳴った。
場内アナウンスが流れ、客席の照明が落ちる。瞬間ざわめく会場はさわさわと収束し舞台の上のグランドピアノだけが煌々と照らされる。
何度も見た光景。
もう少しすれば下手からのだめが現れるのだ。
いつかのように膨れっ面なのかそれとも満面の笑みなのか。
今日は後者だとなんの根拠も無く思う。
のだめがどういう登場の仕方をするかはその日の機嫌に左右される訳でもない。
けれど今日はきっと満面の笑みで頬はバラ色。
 
千秋の予想はピタリと当たる。
久しぶりの恋人の姿。
舞台上に現れたのだめはキラキラとした笑みを浮かべ、そして由衣子の予告通り千秋はその姿に驚く。
客席からも拍手と同時にざわめきが上がる。好意的な笑い声も。
 
のだめは真っ赤なドレスを身に纏っていた。
ベロア生地なのか絶妙に波打ちキラキラと光が反射するのは生地そのものの光沢とスパンコールだろうか。のだめが歩を進めるたびにちかちかと瞬くそれは夜空の星のようにも思える。
そしてチューブトップの胸元と裾には白いファーがぐるりと取り巻く。
いわゆるサンタデザインだ。
クリスマスコンサートには相応しいと言えるそれは当然ヨーコの力作だろう。
得意満面になっているのだめの母の顔が浮かぶようだ。
 
ピアノにまっすぐ向かうのだめの横顔は期待に満ちて輝いている。
客席に視線を向けることのないその顔はいつもと違って髪に隠れてはいなかった。
サイドを編みこまれドレスを飾るファーと同じ髪飾りで飾られている。丹念にブローされたのかいつもどこかしら跳ねている髪は大人しくまとまり、そしてその髪にも光が瞬く。
リサイタルでも巨匠とのコンチェルトでもメイクと言えばグロスのみ、髪だって梳かすだけなどということが多いのに今は薄く化粧を施され艶やかな唇の端が緩く上がっているのも見て取れた。
思わず目を細めた千秋の耳に隣の由衣子がそっと囁く。
「・・・キレイでしょ?由衣子が髪を結ってあげたの。お化粧は征子ママの力作よ」
舞台ののだめから視線を外さない千秋をわかっているのかそのまますっと身を引いた由衣子に千秋は喉の奥でああ、と返す。
届くはずも無い小さな呟き。そもそも自分が返事をしたことすら気付いていない。
背中が大きく開いているのはいただけないが今日ののだめは文句なしに綺麗だ、と思う。
舞台中央のグランドピアノに辿り着き片手をピアノに乗せドレスの裾捌きも見事に客席を振り向いた顔。
会場全体を見渡し腰を折る。そして顔を上げた後、そろりと視線を彷徨わせてぴたりと千秋の上に止まる。
せんぱい、と小さく唇が動くのが見えた。
頷いてみせるとふわりと笑う。胸元に光るのはハートのルビーだ。
 
握りしめたハンカチをピアノの上に置き、チェアに腰掛けるとひとつ大きく息を吐くのはのだめの儀式だ。
両手がゆっくりと鍵盤に降ろされ、そして一気に叩く。
 
 
溢れる音。
音の洪水。
 
一瞬にしてのだめの音に包まれ、詰めた息をゆるりと吐き出す。
体中から力が抜けゆっくりと弛緩する。
 
愛してやまないのだめの音。
 
 
これでやっと帰ってきたと実感する。
そこがどこであれ、自分が異邦人であると感じるこの日本の地であっても。
パリのアパルトマンでない、大勢の人が聴くリサイタル会場であっても。
帰るのはこの音のある場所。のだめの場所。
 
随分と前から実感していたその感覚は息をするよりも自然に体の奥深くへと浸透する。
目を瞑ってその音楽に浸りたくて楽しげに演奏するのだめの姿を目に焼き付けたくて、千秋はただ夢中でそこに浸っていた。
 
 




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本当に動かない男千秋。
今回ものすごく調べたミラノ→福岡間のフライト情報とか・・・。
とりあえずミラノ→成田→羽田→福岡のつもりなんだけど。ミラノ→成田、があるのかないのかいまいちよくわからなかったです。
そして何故飛行機にしたのかというと、時間がぎりぎり設定っていうのもあるけれど単に私が福岡空港の描写をしたかったからです。
今月、俺、帰省するんだ・・・・・妹の結婚式なんだ・・・・・・



2/11 後半追記

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茉奈
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読書・映画・音楽・お酒・料理
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ここはの/だ/め/カ/ン/タ/ー/ビ/レ、二次創作サイトです。
ちあのだメイン。
原作、出版社等など無関係です。

傾向と対策:のだめを偏愛・のだめ溺愛の千秋先輩を偏愛。

ブログタイトルの由来:茉奈の実家はオアシス大川から車で三十分なのだ。
あの道を、私は知っている。


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