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ヲ印茉奈のの/だ/め語り
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あれ!?
なんでこんなに更新してないんだっけ??



ああ・・・・・ゲスト原稿ってものがあったよね・・・・・・・
誰か・・・・わたしに文章力を恵んでください・・・・・・


というわけで、私の中の「千秋の部屋のベッドの話」です。
いや、なぜ入り口から見えるとこにベッドルームなんかね!という謎は解明されていません。
なんとなく・・・・ピアノがあるから、が理由なんだろうかと思っとるです。はい。

go to bed!



さて突飛なことを言い出すことにかけては右に出るものはいない。
 
 
 
 
「先輩、今日は一緒に寝てもいいですか?」
 
風呂から上がってきたら自分の枕を抱えたのだめがベッドの上に座っていた。
いつものごとくプリごろ太を見ていたものらしく、テレビにはすでに見慣れてしまったエンディングテーマが流れていた。
のだめの鼻歌と言えばこれかもしくはオープニングテーマなのである。
 
「先輩?」
思わずテレビに現実逃避していた俺を引き戻したのはやっぱりのだめの声だった。
テレビ画面に逃していた視線をベッドの上に戻すと、こてんと首を傾げたのだめがいる。
冗談じゃねぇ!と反射的に声を上げそうになって実際大声を出す前準備、鼻から空気を吸い込んで口を開ける前に呼吸を止めた。
否定できなくなったことを思い出したのだ。
突飛なことではなくなったのだと思いだしたのだ。
そうなるとうるさいのは自分の心臓の音だ。
初めて女と付き合うわけでもあるまいに、なんだこの動悸はいったいどうなっているんだという自問は心の中だけで息を止めたまま無表情でただのだめを見下ろしている。
こんな時はポーカーフェイスな自分に感謝だ。
不本意ながら見慣れたその表情も首の角度も何もかもが見慣れない女の物で。抵抗をやめただけで自分の目は働きを違えてしまったようだった。
つまりはそういうことなのだろう、とベッドの上ののだめに手を伸ばしてみた。
これはなんのフィルターだろうか。なんだか淡く空気が眩しい気がするのは。
 
「のだ・・・「ちょっとのだめ、貸してたCD今いい?」
 
なのにそこに邪魔が入るとかどいういうことだ。
あらごめん?と俺限定の嫌な笑顔を向けてくるのは遠慮なくドアを開けてくれたターニャだ。
瞬間真っ白になった頭は直後に後悔した。
なぜドアを空けたところに寝室を持ってきた俺!なんて。
じろじろ見るでもなく一瞬だけ俺たちの状況を目に入れ、そしてなにかを正確に悟った様子で腕を組んで開いたドアの縁によりかかる。
傾げた首はのだめと同じ角度なのに憎々しくしか思えない。全然可愛くねぇ。
「あ、ターニャ。ハイ借りっぱなしでスミマセン。えーと、ピアノの上に置いて・・・」
「いいわよ、千秋取ってきて。モーツァルト集だから」
枕を置いてベッドから降りようとしたのだめを制したのは俺では無い。
中途半端に出していた手を引くタイミングを完全に逸していたからその言葉は願ったりだったのだがそれが多分ターニャの狙いでそして多分もういろいろと。いっぱいいっぱいなのもお見通しなのだろうこのロシア娘は。
「ぎゃぼっ!?」
だから仏頂面で返事もしなかったけれど素直に従った俺に失礼にものだめはかなり驚いた顔をした。声もした。
しんいちくん、なんで言うこと聞いてるの。なんてお前のせいだバカヤロー!!
 
「ん」
だからドアの前のターニャにCDを渡す時だって何も言わなかった。
そしてターニャは失礼にもいきなり吹き出した。CDを受け取りながらぶふッという声に眉間の皺が寄るのが自分でわかる。
「わ、悪かったってば・・・・でも、鍵くらい、かけときなさい、よね」
片言なのは笑いが止まらないからで呆然とした俺とのだめにまだ笑いながら手を振ってドアを閉じた。
閉じきる瞬間爆発的な笑い声が響いて少しづつ去っていく。
そうだ、鍵だ鍵。
なんで空いてんだ。
帰ってきて鍵をかけた。
もうその時にはのだめはいて飯を食ってのだめはピアノを引いて、風呂に押し込んで上がってきてその時の鼻歌はプリごろ太オープニングテーマで、俺も風呂に入って濡れたタイルとかのだめのシャンプーの香りだとか女物の洗顔フォームだとか、上がってきたらこの状態で・・・・。
「お前!枕取りに行った時に鍵閉めなかったな!」
「ぎゃぼー!!ご、ごめんなさい~~~」
しっかり鍵をかけた後ベッドに歩み寄ってまた抱え込んでいた枕を奪い取って頭に落とす。
そうだのだめの枕なんてこの部屋にはなかった。
下着や服なんてものもあるというのになんだか意外な気もするけれど、無いものは無かったんだ。
関係が変わって、のだめの物がどんどん増える。
たった一日でそれはふわふわと雲の上を漂うように。
「あの、それで一緒に寝ても・・・イイデスか・・・?」
だからその上目遣いはやめろ。
多分それに俺はとても弱い。
そして今まで抵抗していたそういうものが多分もう決壊していて、今後もずっとこれに落とされるだろう未来が見えてしまっていて。
「・・・・いいんじゃない」
そういう言い方しかできないのは対のだめ仕様であればこれもずっとかわらないと思う。
癖のようにそっぽを向いて視線だけ落とすと、ぱちりと音がしそうな瞬きをひとつしてふわりと笑ったのが見えた。
そしたら今度は淡く眩しい空気にキラキラが混ざり出した。
全く全く。
目を細めたら良くなるどころか悪くなる一方で。
「ほわぁ、しんいちくんの匂い・・・」
ごそごそと布団に潜り込むのだめがふんふんと匂いを嗅いでいるのをやめさせたいと思う反面ずっとそうやってればいいと思うなんてほんとにこのままだとどこまでも甘くなりそうでまずい、と思う。
 
そしてふと。ふ、と。
のだめが潜り込んだのは今自分が立っている手前側、だ。
振り向けはそこはドア。
鍵は閉めたけれど。けども。
今から多分場所とか関係無くなると思うけれど。けども。
 
「・・・・お前、そっちいけ」
「え?」
「ほら、奥行け、奥」
「え、なんで?」
「・・・・・・・・・・うるさい、部屋に戻るか?」
「はぎゃ!ヤです!わかりましたわかりました!」
もうカズオー、とぶつぶつ言う声はとりあえず無視してやる。
ムードも何もないのは、もうのだめなんだからと考えないことにして。
ごそごそと動くのを背中に感じながら灯りを消してやると、それにも小さな奇声があがった。
振り向いたベッドの上は居心地の良い場所を探して掛け布団の中で身動ぎするのだめ。
大股で歩み寄ってサイドテーブルのライトを点けたら鼻まで布団を被ってじっと俺を見つめる大きな目とばっちり目が合った。
ゆっくりとひとつ瞬くのに吸い寄せられるように身を屈めた。
全くいつの間に俺はこんなに我慢していたんだか。自覚もなかったけれど。
内側からそっと上げられた布団の隙間に潜り込んで抱きしめて初めて知った柔らかくて暖かな体に覆いかぶさろうとした。
 
したのだ。が。
 
「・・・おやすみなさいセンパイ」
語尾にハートマークでも着いていそうな甘ったるい声で呟いたのだめは胸元に擦り寄って来て俺を見上げていた目をゆっくり閉じた。
と思ったらものの数秒で健やかな寝息を立て始めた。
 
あ り え ね ぇ
 
叩き起してやろうかとも思ったが、まさか初めてが(確認はしていないが何度かしたキスや抱きしめた時の緊張具合からするに経験は無いと思われる。この俺がのだめとキス!ていうかそういう時は緊張する癖になぜ一緒に寝るのは平気なんだ)そんなんではいくらのだめでもあまりにもあまりだろうと思ってやめた。
俺って可哀想・・・と思うほどきついわけではない。いや我慢していた自覚をようやっとしたわけだけれど。
・・・・けどこれが続くなら俺って可哀想なんじゃ?
 
さてその夜は一晩悶々として過ごし、翌朝寝不足で不機嫌な俺とぐっすり眠れてご満悦なのだめとを見てターニャは大笑いした。クソッ!
 
 
 
それから。
 
「・・・・お前こっち。場所かわれ」
「えー?今までのだめ右側だったのに」
「・・・・・・・朝お前のほうが早く起きるならいいぞ」
「うっ。・・・・・センパイどいてください・・・・・」
「・・・まだ寝ないけどな」
「・・・むっつり」
 
引越した後にしたやりとりにため息が出た。
とりあえず本当の理由を言ってやる予定は今のところ無い。
 
 
 
それからそれから。
 
一緒に眠るのに緊張しないのは、俺の匂いが安心するから、だという。
ものすごくいろいろ複雑だったのは言うまでもないだろう。
 
 
 
ついでにそれから。
 
俺とのだめの初めては(のだめは正真正銘初めてだった!)結局あのノエルの夜だった。
なんだかやたら感動してしまったのはお預け食ってたから、だけでもないんだろうけど。
 
 
 
その話は、またいつか。
 
 
 
 
 
 
 
end
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
一緒に寝る。
 
千秋→いたす
のだめ→眠る
 
悲しきすれ違い・・・・

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非公開
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読書・映画・音楽・お酒・料理
自己紹介:
ここはの/だ/め/カ/ン/タ/ー/ビ/レ、二次創作サイトです。
ちあのだメイン。
原作、出版社等など無関係です。

傾向と対策:のだめを偏愛・のだめ溺愛の千秋先輩を偏愛。

ブログタイトルの由来:茉奈の実家はオアシス大川から車で三十分なのだ。
あの道を、私は知っている。


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